ソフトバンクは世界第4位の携帯会社となった。そのソフトバンクの成長は、iPhoneの国内の独占販売権を獲得したのが起点となったのは言うまでもない。この独占販売権取得にいたる経緯を孫社長が語った。
ソフトバンクは2006年3月にVoderfonを買収したことに始まりますが、その買収費用は1兆7,500億円で当時の日本企業買収金額の最高を記録しました。そのソフトバンクは、iPhoneの国内独占販売権を取得していました。ドコモにもアップルからの話はあったようですが、ドコモはこれを突っぱねたようです。そのiPhoneの国内独占販売権獲得の裏話を、現在渡米中の孫正義氏が米国のCharlie Rose氏のTV番組内で披露しました。 世界で最もiPhoneが売れているのは日本です。このiPhoneの独占販売権をどのようにして手中におさめたのかとても興味深いです。皆さんもご覧ください。 以下はこのトピックを提供したmaclalala2というサイトから引用してご紹介しましょう。こうして iPhone の日本独占販売権をジョブズから獲得した
Charlie Rose:あなたは日本で最初に iPhone を提供するキャリアになりたいとスティーブ・ジョブズを説得しました。電話をかけたのですか? それとも実際に彼にと会ったのですか?
Charlie Rose: You persuaded Steve Jobs to let you be the first carrier to offer the iPhone in Japan. Did you call him up? Go see him?
孫正義:それはジョブズが iPhone を発表する2年前のことでした。彼に電話をかけ、会いにいきました。iPod にモバイル機能を備えたちょっとしたスケッチも持っていきました。「マサ、キミのひどいスケッチをくれなくてもいいよ。ボクには自分のがあるから」とスティーブは答えました。そして「キミはクレージーだ。まだ誰にも話したことないのに、キミが最初に会いにきた。だからキミにあげよう。」そこで自分はいいました、「ちゃんと紙に書いて、署名してくれ」と。「ノーだよ、マサ。署名なんかできない。だってキミはまだ携帯キャリアすら持っていないじゃないか」と彼。だから自分は 200 億ドル投じて携帯キャリアを買収したのです。
Masayoshi Son: That was two years before he introduced the iPhone. I called him up and went to see him. And I brought my little drawing of an iPod with mobile capability. Steve says, “Masa, don’t give me your s---ty drawing. I have my own.” He said, “You’re crazy. We haven’t talked to anybody, but you came to see me first. I’ll give it to you.” So I said, “Write it down and sign it for me.” He said, “No, Masa, I’m not going to sign for you, because you don’t even own a mobile carrier yet.” I spent $20 billion doing that.
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孫氏が当時の様子をいきいきと語るところは必見だ。 じっさいにその場に居合わせたひとしか分からないニュアンスがよく出ている。 ときには厳しい突っ込みをいれることで有名な Charlie Rose のインタビューで、こんなにのびのびと楽しそうに語る日本人を見たのは初めてだ。 ほかにもこのインタビューは見どころ、聞きどころ満載だ。 ぜひともご自分の目でお確かめください・・・
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《追記》孫正義氏のことばのままに 上記の引用記事では、孫氏が語ったことばが少しパラフレーズされている。 ビデオのことばから書き起して、以下に訳してみた。
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ビデオのことばのままに
Charlie Rose:ジョブズが日本で iPhone を扱うキャリアを探していたとき、あなたは「自分が!」と手を挙げた。
Charlie Rose: And when he… looking for somebody to carrier in Japan for his iPhone, you said, “Me!”
孫正義:それはジョブズが iPhone を発表する2年前のことでした。ですから・・・、もし自分がモバイル(キャリア)ビジネスに参入するのであれば、武器が必要でした。世界最強の武器を作れるのは誰か? そんな人間はただ独り・・・スティーブ・ジョブズだけです。
Masayoshi Son: That was 2 years before he introduced iPhone. So I said, you know, if I would enter into the mobile business, …mobile carrier business, I need a weapon. Who can create the best weapon in the world. It’s only one guy. Steve Jobs.
Rose:で、あなたは電話をかけたのですか? それとも実際に彼に会いにいった?
Rose: So did you call him up, or did you go see him?
孫:彼に電話をかけ、会いにいきました。モバイル機能を加えた iPod のちょっとしたスケッチも持っていってジョブズに渡しました。するとジョブズが「マサ、くれなくても・・・キミのスケッチなんかくれなくてもいいよ。[笑]ボクには自分のがあるから。[笑]そんなひどいのは要らない」、と。
Son: I called up, and went to see him. I brought my little drawing of iPod with the mobile capability, and I gave him my drawing, and Steve said, “Masa, you don’t give… Masa, you don’t give me your drawing. [laugh] I have my own. [laugh] Don’t give me your crap.
「ひどいスケッチなんか渡す必要はないんだけど、アナタの製品が完成したら、日本用にワタシにください」と自分。 I said I don’t need to give you my dirty paper, but once you have your own product, give me for Japan. すると彼は「マサ、キミはクレージーだ。まだ誰にも話してないのに、キミが最初に会いにきた。だからキミにあげよう」と。 He said, “Masa, you are crazy. We had not talked anybody, but you came to see me as a first guy. I give to you.”
Rose:えっ、そうなんですか? ということはジョブズの所を去るときは、日本の iPhone 提携キャリアとして帰っていった、と?
Rose: Is that right? So you walked away with the … as the carrier in Japan that would be affiliated with iPhone?
孫:まだ日本ボーダフォンを買収する前でしたが・・・
Son: Before I acquired Vodafone Japan.
もし日本市場での独占的販売権がもらえるのなら、こんなすばらしいことはない、と彼にいいました。 I said to him if you can give me exclusively for Japanese market, that would be fantastic. そしていったのです。「ちゃんと紙に書いて、署名してワタシにくれ」と。 So I said, “Write it down, and sign for me.” 「マサ、署名なんかできないよ。だってキミはまだ携帯キャリアすら持っていないじゃないか。」[笑] “Masa, Masa, I’m not going to sign for you, ’cause you don’t own mobile carrier yet.” [laugh] だからいったのです。「ねえ、スティーブ、アナタが約束を守ってくれるなら、ワタシも日本のキャリアをつれて来るから」と。 So I said, “Look Steve, you promise me, you give me your word, I bring carrier for Japan.” Rose:そうしたのですか? Rose: And you did? 孫:ええ、そうしました。200 億ドルを投じ[て携帯キャリアを買収し]たのです。
Son: I did. I spent 20 billion dollars.
引用元情報:maclalala2
iPodの誕生物語もあります…