5Gとは−5Gの技術解説と普及展望について

国内でもようやく5G商用サービスが開始されました。新しいネットワークである5Gの技術解説とこれからの普及展望をまとめましたので一読ください。
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5Gとは

5Gとは、いわずもがなで「第5世代移動通信システム」の意味で、5GのGはGeneration(世代)の略です。音声のみの第1世代(1G)から始まり、現在のインターネット普及の元となったデータ通信が加わりましたが、これまではデータ通信の速度をあげることが主な世代代わりでした。でも5Gは違います。5Gの特徴は、「高速大容量」「多数同時接続」「高信頼低遅延」です。スピードだけではありません。「多数同時接続」は、これからは身の回りのすべての家電、電子機器がネットワーク接続対象になります。ネットワークに接続すればこれらの機器を一斉制御や遠隔操作ができるようになります。またスポーツスタジアムなどでは、何万人という観客が一斉にネットワーク接続してこれまでのように通信が止まったり、遅くなることも無く、すべての人が高速通信できるようになります。「高信頼低遅延」は、なかなか聞き慣れない言葉かもしれまんせんが、要するに反応速度のことです。これまでよりも10倍はやく、この反応速度は1ミリ秒以下となります。人間が操作する分には、遅いなとぶつぶついいながらも待てば良いですが、機械相手の場合は、遅延速度は甚大な被害を招くことになります。5Gはこの機械に対応することができます。例えば、農業機械の遠隔操作を考えた場合、映像を見ながら、はい!とまれ。と指示しても機械に伝わるまでたとえ10ミリ秒でも遅延したら、削らなくてもいいところまで削ったり、人にぶつかったりすることが考えられますね。5Gの場合は、この遅延がなくなります。そしてこれにはもう一つ重要なキーワード付加されます。それは高信頼です。この1ミリ秒以下の低遅延は、99.999パーセント守られます。そして「高速大容量」は、環境によっても異なりますが、一般的には4Gより100倍速いといわれます。4Kテレビや8Kテレビの超高精細な画像を映すにはもってこいです。そしてこれからはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)の時代にも対応します。これらは大量にデータを使います。大量に高速に、これが「高速大容量」ということです。5Gが使えるようになってこそ、これらのことが実現できるようになるのです。

モバイル文化とドコモの貢献
第1世代は、1980年にはじまります。第1世代はアナログ通信で音声しか利用出来ませんでした。ショルダーフォンや自動車電話の時代です。第2世代はすぐにデジタル通信となり、端末の大きさもようやく手の中におさまるサイズになり、現在のモバイル文化の幕開けです。すぐにメールができるようになりインターネットにも接続できるようになりました。この頃ドコモはiモードを設計し世の中のモバイル文化に大きく貢献、普及・加速させることができました。
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出典:ドコモ/5G世代移動通信システム

モバイル通信の変遷(ドコモ公式ページより)

5Gで実現できること

5Gの特徴は前述したように「高速大容量」「多数同時接続」「高信頼低遅延」。もう説明済みですが5Gになるとどのようなことができるようになるか、一覧にしてみました。

  • 4K/8K 高精細映像サービス
  • 自動運転支援
  • AR/VR
  • 農業・建設機械の遠隔制御
  • 遠隔手術
  • スタジアムスポーツ観戦
  • スマートシティ

などなど。

3月下旬、日本では横並びでほぼ同時にスタート

世界では、昨年4月米国と韓国で5Gサービスが開始されました。その後ほとんど5Gは話題にはなっていません。日本でも、ドコモが今年3月25日5G商用サービスを開始したのをかわきりに、auもソフトバンクも1日おきに順次スタートしました。

※今年4番目のキャリアとして参入した楽天は、一歩遅れて6月にスタート予定です。

楽天にも5Gの電波は割り当て済みです。下記の記事が参考になります。

総務省、携帯4社に5G電波を割り当て!
4月10日、総務省は樂天モバイルを含む携帯4社に次世代移動通信規格である「5G」の電波を割り当てたことを発表しました。

電波状況は最悪! スタートしたもののサービスエリアどころか点でしかない現状

5G評判悪いですね!

5Gウォッチャとして注目はしているのですが、いくつかのレビュー記事を読んでみても、とにかく5G電波が飛んでいないということです。5Gサービスエリアどころか点でしかないとの事です。しかも何々ビルの何階フロア限定とかそういうレベルです。東京でこれですから、地方はどうなるのでしょう。

この業界では有名なテクニカルライターの石川温氏によると、“予想を遙かに超える「期待はずれ」”と評している。

携帯3社の5G、予想を遥かに超える『期待はずれ』のワケ(石川温) - Engadget 日本版
今週、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが続々と5Gをスタートさせる。 注目の通信料金は、NTTドコモが4Gの「ギガホ」に500円アップで「5Gギガホ」を提供。KDDIとソフトバンクは基本4Gのプランを移行させるが、5Gの料金として1000円を追加する予定だ。ただし、2年間はキャンペーンとして無料になる。 そんな...

東京オリンピックが1年延期になった今、オリンピック前の6月にどうこうするという話もないでしょうし、次のiPhoneが発売になる9月でしょうか?

今のところ、5Gが普及する見通しはまだまだ遠い!

我々が実際に5Gの恩恵を受けられるのは、高速大容量については1年半~2年先、残りの同時他接続と高信頼低遅延については4〜5年先となりそうです。

5Gの技術

5Gの普及が難しいのはその電波特性にある。5Gで使用する電波は、サブ6と呼ばれる3.7GHz帯/4.5GHz帯、ミリ波とよばれる28GHz帯が使われます。これは今までの携帯用の電波としてはかなり高い周波数バンドになります。電波は周波数が高いほど直進性が高く、途中の障害物の回り込みをしません。壁や木々はもとより人物でさえも電波を遮ってしまいます。これが5G普及を難しくする原因です。これまでよりも基地局をたくさん設置(しかも見通せる範囲)しなければならず、かつ室内はアンテナを立てない限り5G通信はできません。これを回避しながら、5Gを普及させなければならない。

NSA(ノンスタンドアロン)

NSAはSAとともに5G理解する上での重要なキーワードです。NSAはノンスタンドアロンのことで、既存の4Gエリア内に5Gのエリアを構築し、5Gの通信制御を4Gのコントロールチャネルでおこない、データ通信のみ5Gを利用する方法です。この方法は現在広く普及している4Gエリアを利用して5Gエリアとするため、システムの構築が早くできるメリットがあります。その代わりデメリットとしては、5Gコアシステムを利用できないため、ほぼ4G LTEのプラスアルファ程度のスピードしかでません。もちろん低遅延・多接続のメリットの享受できません。

SA(スタンドアロン)

SAは、すべてを5Gで構築するネットワークで、ここで重要なのはネットワークスライシングという5Gコア技術を使えることです。通信の始まりから終わりまですべて5Gのネットワークでおこなわれるので、本来持つ5Gの高速性を十分に発揮し、なおかつネットワークスライシングにより低遅延・多接続にも対応できることです。これのデメリットとしては、すべて5Gで構成するために、コストも時間も莫大にかかることです。

ネットワークスライシング技術とは、低遅延・高信頼・高セキュリティ等、様々な要求条件が求められる5Gにおいて、ネットワークを仮想的に分割(スライス)することで、お客さまが利用するサービスの要求条件に合わせて効率的にネットワークを提供する技術です。
出典:エリクソン

5G普及へのアプローチ

5G普及の難しさはこれまで伝えたとおりですが、日本の各キャリアはともに、5G普及への取り組みとして2段階で考えています。当面は、NSA方式で5Gを全国展開し、以後徐々にフル5Gとも言えるSA方式の基地局を建設していく。我々ユーザーが思い描く5GはSA方式での実現ですが、これを全国津々浦々まで設置するのはほぼ不可能と思えます。現在の4G LTEの人口カバー率は99%にもなりますが、その分山の頂上付近に電波塔が建つようになりました。同じ事が5Gにできるわけもなく、5GもどきといってもいいNSA方式による全国展開が現実でしょう。いづれフルスペックの5G通信が必要とされると思いますが、少しでも時間を稼いでおいて、現在の低周波数帯でも5Gを実現される技術開発を待つことになりそうな気がします。またこれを補完するのが、ドコモでいうところのキャリー5G。移動式の5G基地局です。これはイベント会場や一時的に5G接続が必要な場合に設置する仮設の基地局です。

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"「キャリー5G」"を説明する図

「キャリー5G」(ドコモ公式ページより)

もうひとつの5Gネットワーク

これは、「ローカル5G」というもの。現在企業内で構築しているWiFiネットワークを置き換えるもの。WiFiは免許なしで開設できますが、ローカル5Gは免許が必要とはなります。ただ、電波の特性上、室外までは電波が飛ばないので、高度なセキュリティーが保てる他、最大限5G生かした企業内の強力なローカルネットワーク構築に役立ちそうで、こちらの方が利用価値は高そうです。

特設記事:5Gアンテナピクト表示の怪

これまで、5Gの技術解説や普及展望について書き上げましたが、これらを調べている最中にぜひ読者にも知って欲しいなと思うトピックがありました。これはタイトルにあるとおり、5Gアンテナピクト表示がおかしいんです。

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アンテナピクト表示とは、上記図中の矢印で示した5Gという表示のことです。これが5Gと表示されている場合は、5G通信が可能という意味でとらえます。しかしこれは4Gまでと意味が異なっており、必ずしもそうではありません。

待受時は NR方式及び eLTE 方式で5 G 表示、通信時は NR 方式の場合が5G表示 、eLTE 方式及び LTE 方式の場合は4G表示となる

つまり、待ち受け時は、NR方式及び eLTE 方式(つまり4G LTEの拡張版)でも5Gと表示してもいいけど、実際の通信時には4Gに切り替わるということです。うそつきですね。5Gと表示されていれば、ようやく5G通信できるようになったと勘違いします。これは、携帯電話事業者間で合意すれば、このようなルールにしてもいいと総務省のお墨付きです。少しでも5Gエリアを広く見せようとする思惑が見え隠れしますね。アンテナピクト表示に惑わされてはいけません。5Gと表示していても5Gにはなりません。

以上

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